10年後からが本当の勝負

築年数が経った後に入居者を集められるか。これが賃貸マンションをつくる上でのポイントです。下図のグラフの通り、一般的に新築時の入居率は高く、完成後10年を越えると70%を下回り、賃料については5年目から急激に下がり始めます。多くのマンションでは一般的に返済期間が20~25年程度で設定されていますので、築10年以降の返済リスクに対してどういった準備をしておくかということがとても重要なのです。10年後に入居者を減らさずに、賃料の下げ幅が小さくて済むマンションをつくる。その為のパートナーである設計会社や施工会社、ハウスメーカーには、とても高いレベルの能力と親身な態度が求められるのです。

決戦は十年後から始まる

増え続けるマンションの中でどのように差別化をするか

増え続けるマンションの中でどのように差別化をするか

日本は現在「人口減少」が進み、マンションは「供給過剰」の状態が続いています。「立地」や「敷地」の条件が良ければ心配はないかもしれませんが、条件が揃わない場合、10年後に入居者を集めることが出来ているのかをよく検討する必要があります。 長い期間に渡って入居者の支持を集めていかなければならないということを念頭において、差別化を図るということはどのようなことなのでしょうか。

①時代が変わっても、変わらない価値についてきちんと条件を満たす。

お部屋を探そうとしたときに、満足いく間取りがどの程度あったでしょうか。 収納が足りない、家具が置けない、部屋の形が細いなど、ほとんどの場合において満足する間取りはないのでしょうか。 そうした中においては、きちんと使いやすい間取りにすることが、差別化になりうると考えています。これ以外にも「防音」「断熱」「セキュリティ」「構造安全性」「避難のしやすさ」など、時代が変わっても変わらない価値というものがあります。 それらが一定の水準をクリアしているということがある意味での「差別化」になると考えています。

②高級感のある洗練されたデザイン

30年ほど前からデザイナーズマンションと呼ばれるマンションが登場し、マンションもデザインと呼ばれる要素が重視されるようになってきました。 そういったデザインに配慮したマンションのなかでも、安易に色を塗り分けただけのものから、高級感を感じさせる洗練されたマンションまで多種多様に存在すると思います。
デザインというもの自体に新規性が求めれられるのは事実ですが、それだけであってはすぐに飽きられてしまいますし、何より入居者の層が限られてしまいます。
そういったことを考慮して、以下の3点がデザイン上の差別化を図る上で大切であると考えています。

  • 高級感
  • 品のよさ
  • 大手の商品化されたマンションにはないデザイン性、新規性

市場を理解した建築士に依頼する、安易なデザイナーズに走らない

「デザイナーズマンション」と呼ばれるマンションが現れて30年以上が建ち、最近では本当に住みやすくデザインとしてのレベルが高い物件も出てきています。しかし、そういった物件や良心的な設計者の数はまだ少なく、特殊な間取りやデザインを提案することが「差別化」であり、その建物の価値であると錯覚している設計者が数多く居るのも事実です。「デザイナー」や「建築家」を自認している設計者の中に、10年後の入居率を真剣に考えている人がどれだけいるでしょうか。
賃貸マンションは、本質的に不特定多数の方々のニーズが求められます。 建物として、基本的な機能や性能が満たされた上でのデザインであれば問題はないのですが、それらを犠牲にしてしまっては多くの入居者のニーズに応えることは難しいでしょう。
デザイナーズマンションを建設する場合には、「家具はきちんと配置できるのか」、「収納量は十分か」、「プライバシーの問題はないか」、「防音対策は十分か」など、一般の人が疑問に思うことを設計者にぶつけてみて、その設計者に大切なマンションを任せられる資質があるかどうかを確認する必要があると思います。

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